伝道者の書 10章

目次  第9章  第11章

10 1 死んだはえは、調合した香油を臭くし、発酵させる。少しの愚かさは、知恵や栄誉よりも重い。
10 2 知恵ある者の心は右に向き、愚かな者の心は左に向く。
10 3 愚か者が道を行くとき、思慮に欠けている。自分が愚かであることを、みなに知らせる。
10 4 支配者があなたに向かって立腹しても、あなたはその場を離れてはならない。冷静は大きな罪を犯さないようにするから。
10 5 私は、日の下に一つの悪があるのを見た。それは権力者の犯す過失のようなものである。
10 6 愚か者が非常に高い位につけられ、富む者が低い席に着けられている。
10 7 私は奴隷たちが馬に乗り、君主たちが奴隷のように地を歩くのを見た。
10 8 穴を掘る者はそれに落ち込み、石垣をくずす者は蛇にかまれる。
10 9 石を切り出す者は石で傷つき、木を割る者は木で危険にさらされる。
10 10 もし斧が鈍くなったとき、その刃をとがないと、もっと力がいる。しかし知恵は人を成功させるのに益になる。
10 11 もし蛇がまじないにかからずにかみつくなら、それは蛇使いに何の益にもならない。
10 12 知恵ある者が口にすることばは優しく、愚かな者のくちびるはその身を滅ぼす。
10 13 彼が口にすることばの始まりは、愚かなこと、彼の口の終わりは、みじめな狂気。
10 14 愚か者はよくしゃべる。人はこれから起こることを知らない。これから後に起こることをだれが告げることができよう。
10 15 愚かな者の労苦は、おのれを疲れさせる。彼は町に行く道さえ知らない。
10 16 わざわいなことよ。あなたの王が子どもであって、あなたの首長たちが朝から食事をする国は。
10 17 幸いなことよ。あなたの王が貴族の出であって、あなたの首長たちが、酔うためではなく、力をつけるために、定まった時に、食事をする国は。
10 18 なまけていると天井が落ち、手をこまねいていると雨漏りがする。
10 19 食事をするのは笑うため。ぶどう酒は人生を楽しませる。金銭はすべての必要に応じる。
10 20 王をのろおうと、ひそかに思ってはならない。寝室でも富む者をのろってはならない。なぜなら、空の鳥がその声を持ち運び、翼のあるものがそのことを告げるからだ。

第11章