伝道者の書 7章

目次  第6章  第8章

7 1 良い名声は良い香油にまさり、死の日は生まれる日にまさる。
7 2 祝宴の家に行くよりは、喪中の家に行くほうがよい。そこには、すべての人の終わりがあり、生きている者がそれを心に留めるようになるからだ。
7 3 悲しみは笑いにまさる。顔の曇りによって心は良くなる。
7 4 知恵ある者の心は喪中の家に向き、愚かな者の心は楽しみの家に向く。
7 5 知恵ある者の叱責を聞くのは、愚かな者の歌を聞くのにまさる。
7 6 愚かな者の笑いは、なべの下のいばらがはじける音に似ている。これもまた、むなしい。
7 7 しいたげは知恵ある者を愚かにし、まいないは心を滅ぼす。
7 8 事の終わりは、その初めにまさり、忍耐は、うぬぼれにまさる。
7 9 軽々しく心をいらだててはならない。いらだちは愚かな者の胸にとどまるから。
7 10 「どうして、昔のほうが今より良かったのか。」と言ってはならない。このような問いは、知恵によるのではない。
7 11 資産を伴う知恵は良い。日を見る人に益となる。
7 12 知恵の陰にいるのは、金銭の陰にいるようだ。知識の益は、知恵がその持ち主を生かすことにある。
7 13 神のみわざに目を留めよ。神が曲げたものをだれがまっすぐにできようか。
7 14 順境の日には喜び、逆境の日には反省せよ。これもあれも神のなさること。それは後の事を人にわからせないためである。
7 15 私はこのむなしい人生において、すべての事を見てきた。正しい人が正しいのに滅び、悪者が悪いのに長生きすることがある。
7 16 あなたは正しすぎてはならない。知恵がありすぎてはならない。なぜあなたは自分を滅ぼそうとするのか。
7 17 悪すぎてもいけない。愚かすぎてもいけない。自分の時が来ないのに、なぜ死のうとするのか。
7 18 一つをつかみ、もう一つを手放さないがよい。神を恐れる者は、この両方を会得している。
7 19 知恵は町の十人の権力者よりも知恵者を力づける。
7 20 この地上には、善を行ない、罪を犯さない正しい人はひとりもいないから。
7 21 人の語ることばにいちいち心を留めてはならない。あなたのしもべがあなたをのろうのを聞かないためだ。
7 22 あなた自身も他人を何度ものろったことを知っているからだ。
7 23 私は、これらのいっさいを知恵によって試み、そして言った。「私は知恵ある者になりたい。」と。しかし、それは私の遠く及ばないことだった。
7 24 今あることは、遠くて非常に深い。だれがそれを見きわめることができよう。
7 25 私は心を転じて、知恵と道理を学び、探り出し、捜し求めた。愚かな者の悪行と狂った者の愚かさを学びとろうとした。
7 26 私は女が死よりも苦々しいことに気がついた。女はわなであり、その心は網、その手はかせである。神に喜ばれる者は女からのがれるが、罪を犯す者は女に捕えられる。
7 27 見よ。「私は道理を見いだそうとして、一つ一つに当たり、見いだしたことは次のとおりである。」と伝道者は言う。
7 28 私はなおも捜し求めているが、見いださない。私は千人のうちに、ひとりの男を見いだしたが、そのすべてのうちに、ひとりの女も見いださなかった。
7 29 私が見いだした次の事だけに目を留めよ。神は人を正しい者に造られたが、人は多くの理屈を捜し求めたのだ。

第8章